2024.10.19,20,26,27で開催されている全日本吹奏楽コンクール。
ここ10年以上中学校・高等学校の部門は名古屋国際会議場センチュリーホールで開催されるのが通例であったこの大会は、センチュリーホールの改修工事の影響で今年は宇都宮市文化会館大ホールで開催されている。
また、大学・一般の部門については今年度は札幌コンサートホールKitara大ホールで行われる。
今回取り上げるのはX(旧Twitter)上で話題になっていたこのコンクールのライブ配信についての話である。
話題となっていたのはその値段。
公式サイトには
中学校の部、高等学校の部のライブ配信チケットは前半の部、後半の部に分けての販売でそれぞれ3,000円(税込み)
大学の部、職場・一般の部はそれぞれ通しで2,000円(税込み)
※お申し込みいただいた配信のプラグラム(PDF)付きです
※お申し込みいたただいた部門の表彰式終了まで配信します
と記載されている。
そして特に中学校の部、高等学校の部のライブ配信チケットが高いと言われていたのだ。
今回はそれについて私が思ったことを書こうと思う。
あくまで私が感じただけであることをあらかじめご了承願いたい。
まず、コンクールとは。
コンクール(仏: concours)は、特定のテーマを指定して参加者を募り、作品のできばえや技能・演技などの優劣を競う催し[1]。競技会。競演会。英語系の表現英: contest コンテストとほぼ同義。
Wikipediaにはそう記載がある。
優劣を競う催し、あくまで、厳正な審査を行う場なのだ。
私は観客を入れてもらえる、審査員ではない普通の人が聞けるということ自体が当たり前だと思ってはいけないと思う。
ライブ配信について
コロナ禍を機に多くのイベントで始まったライブ配信という取り組み。
それを行うには多くの機材と人手が必要になる。
比較的安価なモデルを選定したとしても、一つ一つの金額はもちろんだが一つの配信を行うのにはそれなりの機材の種類が必要なため、値段が嵩んでくる。
全日本吹奏楽コンクールともなれば、それなりの機材を導入されていると思われる。
それを扱う人材となればそちらの方々の人件費もかなりかかってくる。
委託する会社さんにもよりますが、全日本吹奏楽コンクールを配信しているブレーン株式会社に依頼するとなると…数百万〜数千万、下手すると億単位になるかもしれない。
本社は広島ですからその分さらに嵩んでくるかも。
出場校向けのDVD映像収録のついでだとしても配信に別途相当の費用がかかってくるのは間違いない。
ライブ配信のデメリット
・生音ではないため、どうしても音質が落ちてしまう
・著作権の関係で配信できない楽曲がある場合がある
・インターネット接続の関係で映像が不安定になる可能性がある
デメリットとして主に挙げられるのはこの3つだろう。
ライブ配信のメリット
・現地に赴かずに鑑賞できる
・確実にチケットを得ることができる
・現地より安価で楽しむことができる
・アングルが現地より見やすい位置の場合がある
メリットは主にこの4つだと考える。
この2つを見て私が思うこと。
現在私はSAGA2024 国スポ・全障スポ、旧「国体」のライブ配信のボランティアを行っている。
国体から国スポへ。新たな大会となるこの大会では、国体の時に決勝戦のみで行われていたライブ配信を、全競技・全会場の予選から全てライブ配信、そしてアーカイブの公開を行なっている。
この大会を実施するにあたり、約一年前から佐賀県内で行われる高校生の九州大会などをリハーサル大会とし、そこでも配信の取り組みを行ってきた。私もその大会から数々の競技に参加をさせていただいていた。
そこの会場や、間接的にいただいた声として多かったのは、「選手が遠方から佐賀へと大会出場に来ていることがある。費用や時間の関係でついていけなかった家族のためにこのような取り組みがあるのがありがたい。」ということだった。
九州大会でも、一番遠いのは沖縄だ。飛行機代や宿泊代等、選手の分はもちろんだが家族までついてくるとその額は安易に負担できる額ではなくなる。
国スポは言い換えれば全国大会である。広く捉えれば、吹奏楽コンクールのスポーツ版と言える。
この事業は県が主導で行っており誰でも手軽に無料で閲覧することができるが、一般企業が委託を受けて行う場合はどうしてもお金がかかってしまう。
本来であれば一緒の場所で見たかった選手の家族も、このライブ配信に助けられたのではないだろうか。
私はライブ配信の意義は、もちろん様々な同じ競技を行っている人、同じ吹奏楽をやっている人、その競技、音楽がすきな人、その他の人に見てもらうのはもちろんだが、その場に居たくても居られなかった家族のためにあるのが大きいのではないかと思う。
吹奏楽コンクールの中学校・高等学校部門は前半・後半それぞれ3,000円、通しで1部門を見ると6,000円になる。
ちなみに現地チケットは1部門が4分割され、それぞれ3,300円で通しで1部門を見るとなると13,200円となる。
全部見るなら単純計算で2倍、現地で見るなら自分が気になる学校だけでいい、子どもが所属している団体が含まれるところだけでいい、となっても3,300円である。
それと宇都宮までの交通費や滞在費と比べたらどうなるだろうか。
ライブ配信のデメリットを考えても格安だろう。
まとめ
ライブ配信は慈善事業ではない。
お金がかかっているのだから、少なくとも赤字にならないように価格設定などをしなければならない。
吹奏楽の発展のために、などの綺麗事で片付く問題ではないのだ。
あくまで音楽鑑賞は娯楽。必ず出さなきゃいけないお金でもない。
文句を言うくらいなら、全国レベルのハイクオリティな演奏を配信で気軽に見れることに感謝しながら、安いくらいだな、くらいのテンションで見る方がよっぽど幸せだと思う。
また脈略のない文章を書いてしまった。この文章を解読して共感してくれる人が1人でもいたらいいな。
それではまた。
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